自分とこの世の最前線

数日前、弾き語りのライブを開催して歌った。今年一年間、毎月やってきた企画の12回目だった。このライブの時は、小一時間ほど曲をいくつか歌っていく合間に「演奏と関係があると自分では思うこと」を、概ねこの1ヶ月のあいだにあった出来事ベースで話すよ…

歌って、歌って?

最近した会話のなかで「(歌は)余韻が一番大事」と自分で言っといて、あ、これだな〜と思った。歌って、もしかして歌い終わった瞬間が「完成」なんじゃないか、という気分が最近ある。ここ数ヶ月のライブを通してそういう考えに至った。そして、歌がそのよ…

喧嘩も未来も言葉から

わたしは寒いのが本当にニガテなので、この季節は「楽しく過ごす」を目指すよりももっと手前の「落ち込まないようにする」でいっぱいいっぱいだ。加えてなんだか涙が出るほど忙しくて、溺れかけているような、坂を足任せに駆け降りているような感じで、自分…

「夏の最後」と「この秋最初」の混じる道

最近ちょっと贅沢な息抜きをするようになってしまった。家で色々やることがある時に、おもむろにiPhoneだけ持って家を出て、交差点を渡ったところにある近所のセブンイレブンに行き、そこでコーヒーだけ買って帰ってくる、というものだ。ペイペイがあると財…

ひと思いに腐ってくれ!

先日、自分が働いている事務所に向かう廊下の一角で、手作りの何かが腐っていた。 それは、パンのようなものだった。のようなもの、と言わざるを得ないほど、もとの色や形が分かりにくいレベルでカビだらけになっていた。おそらく誰かの手作りか、パン屋で買…

すっきりしたロン毛

最近、こだわり方とかカッコつけかたの重心が変わったような解放感がある。気分がすっきりしている。これはもしかしたらある種の諦めなのかもしれないけど、取り繕うようなことが減った。例えば、洗濯して干したハンガーのまま部屋にぶら下がっていたのを適…

長いツイートのようなもの2307

このブログをせめて毎月1回は更新しよう、となんとなく自分に課しているのだけど、7月は、すでに6月から書き始めていた内容が複雑かつ重すぎて、書いて消してを何度繰り返しても全然書き終われなかったので、違う話というか、どうでもいいめの近況を一筆書…

バレる速さとわかる遅さの温かさ

わたしは、たぶん正直者である。嘘をつくのが自分でも驚くほど苦手だし、好きや嫌いや嬉しい!が、人にバレバレのことが多い。 正直者はしばしば、親しい人たちにそれを褒められたり面白がられる。正直だ・素直だ、というのは基本的に素敵なことで、誇ってい…

どんどろ人形との出会いと、「自分で作る」ということ

この春、伊豆半島の東のあたりの伊東という地域に出かける機会があった。思い切って前置きをぜんぶ端折るが、伊東には「東海館」という木造の古い建物がある。かつて温泉旅館だったという、かなり立派な建築物は現在は観光スポットになっていて、ここが面白…

いわゆる大胆

先日、久しぶりに転んで膝をちょっと擦りむいた。自転車で近所の商店街まで出かけて、持ちにくい形の荷物をなんとかしようとしたら荷物と自転車と体が絡まったようになって、バランスを崩し、大きな音を立てて自転車を倒して自分も転んだ。ズボンの下にタイ…

旨味の岬を呼べるか

最近、味わうことが自分なりにちょっと上達した。言葉が少し見つかって、以前よりも味覚の解像度が上がったような気がする。経験上、耳も目もこういうところがあるとわたしは思っている。身体とは別の次元で言葉も感覚器官を研いでくれるのだ、と思えば、身…

もらった景色と言葉と他にも

秋口、11月〜12月前半の個人的な大忙しが始まるちょっと前の頃に、飼っていた金魚が死んだ。その金魚をわたしと同居のパートナーは「キンちゃん」と呼んでいた。映像作家の友人の撮影で活躍した後、行くあてを探していたところを引き取る、という経緯で、彼…

ようこそのおどけ

先日、ずっと憧れていた人(ボカして書く意味がほぼないけど以下Kさん)と会って話した。 Kさんはアーティストで、わたしは端的にいって彼のファンだ。4年半前に知ってからずっと、最新作が発表されるたびに嬉々としてチェックし、SNSもフォローして活動の動…

自分用の雑な温もりと可笑しみ

いろんな事情が重なって経済的な余裕がなくなったので、この頃はなるべくお金を使わないように、特に食べるものを工夫している。そんな日々を共にしている「弁当」とは呼びにくいような雑な食糧があるのだけど、これがなんだか可笑しいので、今回はそのこと…

星と星をつなぐもの

一年くらい前に東京へ引っ越してから日頃よく通るようになった大きな交差点がある。そこは駅前の繁華街の一角で、最近は閉店したデパートを解体している。夜にその辺りを通ると、若い酔っ払いやキャッチ、手に紙とスマホだけを持った女の子などがたくさんい…

新鮮な音量

わたしのこれまでの人生には、夏休みが31日で終わりだった頃と、9月末まであった頃があって、そのどちらの日々もとっくに終わったというのにいまだにこの季節になるとそわそわと淋しくなってくる。自分にとっての晩夏は、こっぴどい失恋をしたり、めちゃめち…

手の向こうに人、命ある味方

最近、架空の人物と手をつなぐ瞬間、というちょっと変な夢をみた。自分でも引くくらいディティールの感受に全振りした夢で、時間も引き伸ばされたようだった。自分の人差し指の親指側の側面と親指の腹のあたりの皮膚表面の、指紋や細かいシワの凹凸の摩擦の…

救われたいね

時々、顔が痛い。外傷も、ぶつけた記憶もないのに、ふいに鼻の横のあたりや頬や顎がビシッ!っと、陶器にヒビが入ったような鋭い強い痛みに襲われる。痛いのは数秒だけだから普段は忘れて生活できる。いつからこんな風になったかは忘れたけど、いわゆる「ス…

ラブい口元

日頃から口元を隠すことがすっかり当たり前になってから、人の口元にドキッとすることが増えたような気がする。もう1年くらい前になるけど、夏くらいの季節の頃、親しい女性の友人と久しぶりに会ってレストランで食事をした時にドキッとしたことを、今でも鮮…

ヴォイスの次の地平?/大変身の居心地の良さ

わ〜!全然更新できていなかった!4月のうちに書きつけておきたいことが2つある!近況、一番大きなこととしては、単独自主企画「透明洞窟」を先週、開催しました。昨年の初夏に東京に引っ越してきてから、都市で働きながら暮らす日々(自分で選んだことだ…

夢と死後と時間認識についての雑記

今朝みた夢が美しかった。ちょっと不吉だけどすごく鮮やかで、楽しげで、まるで映画でも観たような記憶の残り方をしていて、今日は一日中その景色のことが頭の中にぼんやりあった。ものすごい数のいろんな動物たちが、楽しそうにゆるやかな行列になって商店…

全部がある!

ーー近況先日、シェアアトリエからの帰り道を自転車で走っていて、あ、ここは10ヶ月くらい前の頃に桜が散っているなかを今にも崩壊しそうなシェアサイクルをぎいぎいいわせながら通った道だ、と思い当たった。引っ越してからもう何度も通っているはずの道だ…

バッド全部おいてく大晦日

今朝は、12月31日ってだいたい晴れるよね、って感じの東からの朝日に起こされて、久しぶりに朝から実家の近くの桜並木をジョギングできて嬉しかった。寒かったけど、アスファルトじゃない土の地面は踏むたびに心地よかった。人も少なかった。 先日、友人のラ…

被暴言体験と反省

寒さのせいかなんなのか、最近とても心が厳しい。 二週間くらい前に限界の精神状態で帰っていた自転車で、暴言に近いひとりごとを絶叫しながら帰ったら、なんかちょっとスッキリしたということがあって、それからちょっとそのハードルが下がってしまった。以…

ちょっと「目がいい」

今朝は午前指定のギリギリにやってきた宅配便で正午に目が覚めて、思いついて久しぶりに走りにいった。いつもはちょっと遠い大きい公園まで自転車で行ってそこを走っているし、このあたりで何か用事があるといえばそれはたいてい食品などの買いものなので荷…

路傍の死と詩

1週間くらい前のこと。雨の降っている昼間に1人で赤坂の歩道を歩いていた。大きな道路から少し入った静かな道だった。さっき買った弁当の入ったビニール袋を片手にさげて、借りた傘をさして歩いていると、歩道の真ん中に青虫が落ちているのを見つけた。あと…

袖なしで電動キックボードに乗るシーン

先日、電動キックボードに乗った。恋人の乗る自転車に先導してもらって、夜の都内を目的地まで10分くらい走っただけだったけど、昔漫画で読んだ未来を今生きているみたいで、まるでひとつ夢が叶ったような気持ちになった。思い描いて望んでいたわけでもない…

手動の都市生活

雨などを言い訳に色々と諦めたことで微妙に時間ができたので、雨音を聴きながら最近のことを書きます。今朝は早く起きて、パートナーが仕事に行く前に手早く自作の棚を組み立てる(今日の他にできる日がないので、昨日の深夜にもベランダでパーツの塗装をし…

クナイプのハンドクリームへの感謝

今日、疲れた帰り道で、手があまりにもカサカサしていて破けてしまいそうだったので、マツキヨでハンドクリームを買った。かなり疲れている時の、「胸が張り裂けそうな」という表現がしっくりくるような、コップのふちギリギリまで水が入っているような、あ…

他人の荷物

1人で電車に乗っていたら、向かいの席に30代と見られる男性2人組が座った。少し小柄なヒゲの人と、少したくましいメガネの人。それぞれトレーナーとネルシャツで、カジュアルな服装だ。 前を向いているとつい視界に入ってしまうのでなんとなく見ていたら、ヒ…